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    オリンピックは読書ライフには影響なし

    時差なしでオリンピックを見られるから、夜中まで起きて寝不足で読書出来ない、なんてことがないのが、自国開催の唯一のメリットかも。


    法律家兼作家だからこそ描ける世界に没頭 五十嵐律人【原因において自由な物語】

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    今月の一冊は、五十嵐律人さんの新作【原因において自由な物語】です。

    原因において自由な物語 [ 五十嵐 律人 ]

    価格:1,815円
    (2021/7/30 20:30時点)


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    今大注目の作家 五十嵐律人とは

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    2020年『法廷遊戯』で第62回メフィスト賞を受賞し、一気に注目の的となった五十嵐律人氏。

    1990年岩手県盛岡市生まれ。東北大学法学部卒。そして、司法試験合格後も裁判所で働きながら執筆を続け、現在は『弁護士業務と作家活動のバランスを模索しながら、二足の草鞋を履きこなせるようになりたいです』と本人が語るように、弁護士兼作家として大活躍しています。

    メフィスト賞と言えば、その第一回受賞者は私の大好きな森博嗣氏。そこで二人のオンライン対談が実現しています。


    この非常に興味深い対談で今回ご紹介する『原因において自由な物語』にリンクした発言がありました。

    弁護士では成し得ないことを、創作を通じて果たしたいと願っています。

    これこそまさに『原因において自由な物語』のテーマのひとつでもあります。

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    法律より小説の力が誰かを救うこともある

    本

    デビュー作から三作目、今月出版されたばかりの新作『原因において自由な物語』、略して、原自物語。それは、法律家であり、ミステリー作家である五十嵐氏だからこそ描ける世界でした。

    謎を解かなければ。 私は作家なのだから。 人気作家・二階堂紡季には、 誰にも言えない秘密があった。 露呈すれば、すべてを失う。 しかし、その秘密と引き換えにしても、 書かねばならない物語に出会ってしまい――。 デビュー作『法廷遊戯』が、ミステリランキングを席捲! 注目の弁護士作家第3作!

    人気作家・二階堂紡季には、誰にも言えない秘密がある。それは露呈すれば、すべてを失うようなトップシークレット。でも、その秘密と引き換えにしても、書かねばならない真実の物語と出会い、その筆の力が若者の未来を救うかもしれない。

    家族や法律ではなく、小説にこそ人の命や心を救う力があるのではないか、そんな風に思わせてくれる作品です。

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    法律において『原因において自由な行為』とは
    「責任無能力状態を導いた原因行為時には、責任能力が認められて、その際の自由な意思決定が結果行為として実現した」という状態。

    これが原自行為とも略される法理論。『原因において自由な物語』のタイトルのベースになっています。何やら難しい表現ですが、道理に合わない選択肢に心を囚われ、逃げ道を絶ってから、あたかもその行動しかとりえなかったように振る舞うこと、を言うのだそうです。

    自分だったら踏み止まれたか、その行動に責任を問うことはできるか、どのような罰を科すべきか。考えさせられることばかり。だけど、私がこの作品を通じて最も心に強く響いたのは、筆の力、なのです。

    不合理な結末であったとしても、そこに至る過程への共感を読者は求め、そして救われる。様々なテーマが隠れている今作ですが、私が最も共感したのはこの部分。法律家である五十嵐氏が、法律と同じように小説の持つ力を信じていることがわかります。

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    実は発売前プルーフ本に当選

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    この作品は2021年7月15日に発売されましたが、実は読書メーターの献本キャンペーンで、発売前にプルーフ本を手にしていました。

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    初のプルーフ本。装丁がハードカバーになっていないので、すぐに海外作品の原書のような味が出てきて、ちょっとニンマリとしてしまいました。ピカピカで美しいカバーも良いけれど、こんな風に擦れた質感こそ、紙の魅力ですね。

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    きっとこの作品に救われる人がいる


    警察や裁判所では描かれない過程を描くのが作家の筆の力。そしてその力によって救われる人、特に若い命がある。だから、苦しくてたまらない時にこそ、手にして欲しい。作家の力を1番に信じている法律家、そんな五十嵐律人氏だからこそ描けた世界観に脱帽です。

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    今月読んだ本

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    • 熱い風 /小池 真理子
    • トリニティ /窪 美澄

    • 原因において自由な物語 /五十嵐 律人

    • 嫉妬 /林 真理子

    • それからはスープのことばかり考えて暮らした /吉田 篤弘

    • 不可逆少年 /五十嵐 律人

    • スタッキング可能 /松田青子

    • 三匹の子豚 /真梨 幸子

    • 東京ワイン会ピープル /樹林 伸


    • 計9冊


    おわりに 今月のオーディオブックから一言


    ▶▶やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学 著者ハイディ・グラント・ハルバーソン

    • 成功とは生まれつきの才能で決まるものではありません
    • 成功する人には共通の思考や行動のパターンがあります

    コロンビア大学でモチベーション理論を教える社会心理学者の著者は、こう断言します。 多くの心理学者たちの数々の実験と、著者自身の研究成果によって証明ずみの「心理学的に正しい目標達成の方法」を著者がまとめたハーバードビジネスレビュー誌ブログの記事は、過去最大の閲覧数を記録する大反響を呼びました。

    本書は、その話題の記事に加筆してつくられた1冊。 目標達成に最も寄与する習慣、そして目標達成ツール。今日からすぐ実行できる考え方が、豊富に紹介されています。

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    これってまさに大谷翔平


    この本の言うことを体現しているわかりやすい例が、大谷くんだと気づいてしまった。目標に具体性を与え、達成への行動計画をつくる。そして目標までの距離を意識する。大谷くんが高校生の時に書いたという目標達成シートを思い出しますよね。

    非常に簡潔でわかりやすい成功への道のり。今からでもすぐに実践できることが、あるのでおすすめです。私はとりあえず毎月ひとつの目標をたてて、それにむかっての道のりを書いています。


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