柳広司氏のジョーカー・ゲームから始まる【D機関シリーズ】一気読みの8月【2020年8月読書レポート】
■目次
▶今月読んだ本・今月の1冊 林木林【二番目の悪者】
▶クールでスタイリッシュな柳広司さんのスパイミステリー【D機関シリーズ】
・ジョーカー・ゲーム
・ダブル・ジョーカー
・パラダイス・ロスト
・ラスト・ワルツ
▶おわりに
今月読んだ本
11冊
今月の1冊 林木林【二番目の悪者】
金色のたてがみを持つ金ライオンは、一国の王になりたかった。
自分こそが王にふさわしいと思っていた。
ところが、街はずれに住む優しい銀のライオンが
「次の王様候補」と噂に聞く。
ある日、金のライオンはとんでもないことを始めた-―。
登場するのは動物ばかり。人間はひとりも出てきません。
けれど1ページ目はこの言葉から始まります。
「これが全て作り話だと言い切れるだろうか」
誰かにとって都合のよい嘘が
世界を変えてしまうことさえある。
たからこそ、なんどでもたしかめよう。
あの高くそびえる山は、本当に山なのか。
この川は、間違った方向に流れていないか。
皆が歩いていく道の果てには、何が待っているのか。
世界を変えてしまうことさえある。
この川は、間違った方向に流れていないか。
皆が歩いていく道の果てには、何が待っているのか。

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毎年8月になると戦争作品を読んでおかなくてはいけない、と言う思いにかられる。このジョーカー・ゲームをはじめとする柳広司さんのD機関シリーズも、昭和の戦争時代におけるスパイミステリー。
これまでの昭和の日本軍のスパイ活動のイメージを覆す、クールでスタイリッシュな描かれ方にぐっと惹き付けられるシリーズとなっています。
著者の柳広司さんは、2009年この『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞しています。今最も注目を集めるミステリ作家の一人と言われています。
ジョーカー・ゲーム
結城中佐の発案で陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校“D機関”。「死ぬな、殺すな、とらわれるな」。この戒律を若き精鋭達に叩き込み、軍隊組織の信条を真っ向から否定する“D機関”の存在は、当然、猛反発を招いた。だが、頭脳明晰、実行力でも群を抜く結城は、魔術師の如き手さばきで諜報戦の成果を上げてゆく......。 吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞に輝く究極のスパイ・ミステリー。

ダブル・ジョーカー
結城中佐率いる“D機関”の暗躍の陰で、もう一つの秘密諜報機組織“風機関”設立された。だが、同じカードは二枚も要らない。どちらかがスペアだ。“D機関”の追い落としを謀らんとする風機関に対し、結城中佐が放った驚愕の一手とは――。

パラダイス・ロスト
大日本帝国陸軍内にスパイ養成組織“D機関”を作り上げ、異能の精鋭たちを統べる元締め(スパイ・マスター)、結城中佐。その正体を暴こうとする男が現れた。英国タイムズ紙極東特派員アーロン・プライス。結城の隠された生い立ちに迫るが......(「追跡」)。ハワイ沖の豪華客船を舞台にした初の中篇「暗号名ケルベロス」を含む全5篇。世界各国、シリーズ最大のスケールで展開する。究極の頭脳戦!

ラスト・ワルツ
華族に生まれ陸軍中将の妻となった顕子は、退屈な生活に倦んでいた。アメリカ大使館主催の舞踏会で、ある人物を捜す顕子の前に現れたのは――(「舞踏会の夜」)。
ドイツの映画撮影所、仮面舞踏会、疾走する特急車内。帝国陸軍内に極秘裏に設立された異能のスパイ組織“D機関”が世界で繰り広げる諜報戦。ロンドンでの密室殺人を舞台にした特別書き下ろし「パンドラ」収録。スパイ・ミステリの金字塔「ジョーカー・ゲーム」シリーズ!


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おわりに

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