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    shoko

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    何か特別なことをしているわけではないのに、なんとなくバタバタと忙しない12月。それでも読書タイムは削らずに、沢山の作品と出会うことが出来ました。

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    今月読んだ本  

    • 深く深く、砂に埋めて /真梨 幸子
    • 真相 /横山 秀夫

    • 影踏み /横山 秀夫

    • グレイヴディッガー /高野 和明

    • 激流(上) /柴田よしき

    • 激流(下) /
      柴田よしき

    • ノッキンオン・ロックドドア /
      青崎有吾

    • 神さまを待っている /
      畑野智美

    • 祈りのカルテ /
      知念実希人

    • 三毛猫ホームズの追跡 /
      赤川 次郎

    • 宮下奈都
    • 火口のふたり /
      白石一文

    12冊


    今月の1冊 宮下奈都羊と鋼の森

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    2016年本屋大賞を受賞したこの名作をやっと今読むことが出来ました。最初の一文から、世界にぐっと引き込まれて、あっという間に一気読みです。


    高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。ひたすら音と向き合い、人と向き合う外村。個性豊かな先輩たちや双子の姉妹に囲まれながら、調律の森へと深く分け入っていく―。一人の青年が成長する姿を温かく静謐な筆致で描いた感動作。

    なんて美しい言葉で紡ぐのだろう、と言うのが第一印象。あまりに美し過ぎてリアリティがないのだけれど、この作品はそれで良いと思う。ピアノの調律師として、どんどん成長していく主人公も、それに関わる周りの人たちも、全てが美しく描かれているので、読み終わった後、心がキレイになったような気分になる。

    映画化もされましたが、どうしてもこの主人公のキャスティングは、神木隆之介くんでお願いしたかった、と思ったけれど、山﨑賢人さんだったのね。



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    2019年最後に出会った初読み作家

    2019年は数々の新しい作家の作品を手にとってきました。お気に入りの作家ばかりではなく、これまで読んだことのない作家に出会えるのも楽しみのひとつ。2019年ラストの12月に新しくお気に入りの仲間入りをした3名の作家の作文をご紹介します。

    柴田 よしき

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    柴田よしきさんの『激流』

    京都。修学旅行でグループ行動をしている、東京から来た七名の中学三年生。知恩院に向かうバスで、その中の一人の女生徒、小野寺冬葉が失踪し、消息を絶った―。二十年後。三十五歳となり、それぞれの毎日を懸命に生きるグループのメンバーに、過去の亡霊が甦る。「わたしを憶えていますか?」突然、送られてきた冬葉からのメール。運命に導かれて再会した同級生たち。彼らに次々と降りかかる不可解な事件。冬葉は生きているのか?そして、彼女の送るメッセージの意味とは…?「今」を生きるすべての人に贈る、渾身のサスペンスミステリー。

    2013年にドラマ化され、私はそのドラマを見ていたはずなのですが、原作はドラマよりも、ずっとヘビーでディープで、悲しかった。ひとりの少女の失踪事件以降を生きたその同級生たち。20年間という歳月の間に、ひとりひとり様々なものを抱え、再び巡り会うことになった彼ら。

    そのひとりひとりにある背景が、ドラマでは全く描ききれていませんでした。この作品の場合、ドラマではなく、原作を読まれることをぜひぜひオススメしたい。

    柴田よしきさんは、他にも個性的な探偵や刑事ものを書いているようなので、2020年もっと読み進めていきたい作家さんのひとりになりました。


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    青崎 有吾

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    続いて青崎 有吾さんの『ノッキンオン・ロックドドア』

    なんともおしゃれなタイトルは、主人公のふたりがやっている探偵社の名前です。

    密室、容疑者全員アリバイ持ち、衆人環視の毒殺など「不可能(HOW)」を推理する御殿場倒理と、理解できないダイイングメッセージ、現場に残された不自然なもの、被害者の服がないなど「不可解(WHY)」を推理する片無氷雨。相棒だけどライバル(!?)な探偵ふたりが、数々の奇妙な事件に挑む!

    個性的なふたりの探偵が事件を解決していく、わかりやすい作品。ライトでスタイリッシュで、普段活字を読むのが苦手という人も、きっと漫画感覚で読めるはず。だけど、ミステリーはそれぞれしっかりとしていて、面白い。続編がすでに出ているので、そちらも気になるところです。

    主人公の探偵が恐らくふたりともイケメンなので、思いっきりイケメン俳優さんを使って映像化してほしい。


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    畑野 智美

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    最後に畑野 智美さんの『神さまを待っている』です。

    文房具メーカーで派遣社員として働いていた26歳の女性は、正社員になれず、家賃が払えなくなりあっという間に貧困になだれこんでいく。漫画喫茶で寝泊りして、菓子パンで腹を満たす生活から抜け出すために、彼女が選んだのは「出会い喫茶」でお金を稼ぐことだった。生きるために「ワリキリ=売春」をしなくてはいけないのか。

    彼女たちの言う『神さま』は、その日その日に自分を買ってくれる人のこと。これが日本の貧困女子のリアルなのだと言われても、容易には受け入れられないくらいに、辛い現実。日本にはアルバイトをするところは余るほどあっても、それでは家族がいない女性の生活そのものが成立しないことがわかった。家賃、光熱費、通信費、税金。社会人になってひとりっきりで生きてきたとしたら、私も支払ってこられなかったはず。そんなことに今気づかされた。

    働けるのにホームレスになるなんて。と心の中では思ってしまっていたけれど、これはもう日本の制度的問題だと今は思う。沢山の大人たち、特に政治家とか国家公務員とか、こんなに苦しんでいる人たちがいることを知ってもらうためにも、この作品を読んでほしい。

    貧困とはお金がないことではなく、頼れる人がいないこと。

    人のことを言えないくらい自分も安定した人生を生きていないのだけど、何か支援が出来るところがあるなら積極的に参加したいと思うようになった。誰かの頼れる人になれるかもしれない。


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    おわりに


    ▶▶オーディオブック 影踏み

    今月横山秀夫さんの影踏みを読みましたが、映画化もされて今話題のこちらの作品が、日本最大級!オーディオブックなら - audiobook.jp の聴き放題プランに登場しています。1冊のオーディオブックでの価格が1,320円。聴き放題プランは30日間無料体験が出来るので、かなりお得。なかなか読む時間がない方はオーディオブックもオススメです。

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