【2019年11月読書レポート】なでし子物語を誰かと語りたい
そろそろインフルエンザが流行りだした11月。こんな季節はゆっくり読書をするのが1番。
四角大輔さん、私の中では大好きなCHEMISTRYを手がけたプロデューサー、としてしか知らなかった名前。だけど、その側面は彼のほんの一部でしかなかったらしい。「人は誰もがアーティスト(表現者)」という強烈なメッセージを冒頭に掲げ、捨てても良いものがあるんだってことを教えてくれる一冊でした。
四角さんはレコード会社の敏腕という地位を捨て、現在は学生時代からの夢だったというニュージーランドの原生林に囲まれた湖に移住し、自給自足ベースの生活を営みながら、世界中で移動生活という自由な人生を送っているのです。
そんな彼が、現代社会を自分らしく生き抜いていくためのヒントを与えてくれるこの本は、誰もが少なからず悩んできた、もがいてきた重たい何かを、なんだかふっと軽くしてくれたみたい。
SHOKO
この本を読んでからすぐにルーツリスト、を書くようになりました。過去の自分は何がしたかったのか。そして今の自分は何がしたいのか。何をすべきか、TO DOではなく、したいことをリストアップする。そしてそれの実現へむかって労力を使う。それが、自分らしく生きていく第一歩。
毎日朝起きてから眠るまでたくさんのTO DOに追われて生きているだけじゃ、自分らしい人生なんて手に入れられない。それに意外と過去の自分がやりたかったことを思い出してみると、面白いです。思わず笑っちゃうような夢、描いてたことあるなーって。
でもそれを実現させたのが、四角大輔、という人だったのです。
まずは第一作目。なでし子物語のスタート。
不幸な境遇で育った主人公が、引き取られた先で出会った人々によって、まっすぐに、強く、美しく成長していく様を描いた作品。登場人物すべての出会いが、彼女の人生に大きく関わることになるのだけれど、第一作目で最も重要だったのは、恋愛感情を抱くことになる男性たちよりも、家庭教師だった気がする。
自立とは、顔を上げて生きること。自律とは、美しく生きること。
この言葉を胸に刻みつけてくれたのは、自らも不幸な境遇で育ち、そこから努力によって生き抜いてきた家庭教師の先生でした。私自身の胸にもグサッと刺さったこの言葉。なでし子物語の核となるキーワードです。
果たしてこれから先、主人公とそれを取り巻く人間関係はどうなるのか、期待を含ませて第一作目は終了します。
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出版された順番は、次の地の星の方が先なのですが、こちらを先に読む方が良いという多くの意見を参考にして、天の花から先に読んでみました。
天の花では、第一作の後、成長した2人の姿と後の運命を決める決定的な出来事が描かれています。
どこで運命なんて変わるかわからない。第一作の終わり方を考えても主人公の運命はこども時代の想いが形になるものだとばかり思っていたけれど、運命は神様のさじ加減ひとつで、変わってしまうものなのかもしれない。
そんな風に思わずにはいられない展開に軽く衝撃をうけました。
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そしてラストの地の星。これが第2作目で、なでし子物語の続編だとして読んだら確かに少し混乱したかもしれない。
恋愛関係の進捗を勝手に期待していたのだけれど、この作品はあれほどのどん底な境遇にいた主人公が、まさに顔を上げて、美しく生きるようになる様を描いた成長記なのだと言うことを思い出した。
強く逞しく、でも美しく、守りたいものを守れる力をつける。
諦めなければならなかった想いや、成就しなかった恋愛感情や、そんなことよりもずっと大きなことを得る。そうした選択をすることができる女性が、本当に強い女性なのだと教えられました。どろどろした人間関係や愛憎劇を望んでしまった自分が恥ずかしい。
自立とは、顔を上げて生きること。自律とは、美しく生きること。
私はどちらの意味でも、『じりつ』出来ていない。まだ間に合うだろうか。
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赤川次郎さんの三毛猫ホームズシリーズのアンソロジー本を今月読んだことで、
これまでスルーしてきてしまった三毛猫ホームズシリーズにハマりだしてしまいました。今さらですが、1番初めの作品から読み始めています。有名過ぎて、なんとなく手に取ってこなかった作品、ってありませんか?始めてみたらどうしてもっと早くに手を出さなかったのかと、後悔してしまうほど面白い。
名作、なのに実は読んだことがないもの。
やっぱり1度は手にとってみなくちゃいけない。
世界中の名作を生きてるうちに私は読みきれるのだろうか。
なんとなくだけど、生きることの目的、みたいにものにもなったかも。
ブロトピ:こんな記事書きました!
今月読んだ本
13冊
今月の1冊 四角大輔【人生やらなくていいリスト】
頑張らなくていいことに「命=時間」を費やしている君へ 現代社会を生き抜くためのミニマム仕事術! 「To Do」を手放し、仕事の効率を高める。「心の荷」を捨て、理想の生き方を手にする。超高ストレス社会で自分を守り抜き、軽やかに働くための40の技術が語られた、「世界一簡単な」人生デザイン学の本。

すぐに実践したこと
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今月どっぷりとハマったのが、伊吹有喜さんの【なでし子物語】です。三作合わせても5日ほどで読みきってしまったくらい。なんでもこの作品は、朝ドラ化してほしいという声もあるんだとか。確かに、ひとりの女性がどん底にいた少女から自立した女性へと成長していく一代記。実写化するなら、朝ドラみたいにゆっくりと描いて欲しいと思う作品でした。
なでし子物語
父を亡くし母に捨てられ、祖父に引き取られたものの、学校ではいじめに遭っている耀子。夫を若くして亡くした後、舅や息子と心が添わず、過去の思い出の中にだけ生きている照子。そして、照子の舅が愛人に生ませた男の子、立海。彼もまた、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しんでいる。時は一九八〇年、撫子の咲く地での三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かしはじめる―『四十九日のレシピ』の著者が放つ、あたたかな感動に満ちた物語。
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天の花
遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。幼少期にこの屋敷に引き取られた耀子は寂しい境遇にあっても、周囲の人々の優しさに支えられて子ども時代を生き抜いてきた。18歳になった耀子は、誰にも告げずに常夏荘をあとにした。バスの中、4年前のあの夏を思い出す。久しぶりに常夏荘を訪れた立海と過ごした日々―。
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地の星
自立、顔を上げて生きること。自律、美しく生きること―。遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。幼少期にこの屋敷に引き取られた耀子は、寂しい境遇にあっても、屋敷の大人たちや、自分を導いてくれる言葉、小さな友情に支えられて子ども時代を生き抜いてきた。時が経ち、時代の流れの中で凋落した遠藤家。常夏荘はもはや見る影もなくなってしまったが、耀子はそのさびれた常夏荘の女主人となり―。ベストセラー『なでし子物語』待望の続編!
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おわりに
やっぱり1度は手にとってみなくちゃいけない。
世界中の名作を生きてるうちに私は読みきれるのだろうか。
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