【2019年9月読書レポート】日本の警察についてふと考える
諸事情により読書がなかなか進まなかった9月。これまで月の半分量ほどしか読むことが出来なかったのですが、内容はとても濃い素晴らしい作品に出会いました。
もう少し若かった頃、唯川恵さんの恋愛小説が大好きで読みあさっていた時期がありました。そんな時を経て恋愛小説から心が離れていくと不思議と唯川恵さんとも疎遠に。
だけど今回手にしたこの作品は恋愛、とはひと味違う、社会派サスペンスでした。
DV被害から逃れて強くなる女性のストーリ、単純にそうゆうものかと思って読み始めたのですが、実際違っていました。どんどん追いつめられていく女性、離婚しても、身を隠しても、永遠に終わらない。本当のDV恐怖とはこれなんだなと、初めてわかりました。
SHOKO
それがこの作品を読んでわかったこと。
現実的にも同じ状況であるならば、刑法でもっとなんとかならないのだろうか。なんだかもう、夫婦になる意味とか、男女が一緒に暮らす理由って、なんなんだろうと考えてしまう。自分がこうした経験をしたわけではないけれど、救いようがない、絶望感を味わってしまいました。
現実の世界にこんな状況に置かれている人がまだ沢山いるのなら、なんとかしてあげたい、本気でそう思える作品です。日本の警察、もっとなんとかしてよー、とも思う。
映画化もされたとても有名な作品ですが、内容はほとんど知りませんでした。
犯人を突き止めるための警察小説、とは違って、真実を追い求める物語。刑事、検事、新聞記者、弁護士それぞれの立場、視点からの描かれ方もわかりやすく、最終章では思わず涙が出ます。
生きることに決めたその原動力。
それは何なのか。
自分にはその源があるだろうか。
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そして、警察小説の傑作と言えばコレ。
F県警強行犯シリーズとなる作品の第一作目。表題の『第三の時効』を含む6編の連続短編になっていて、F県警の捜査一課を編成するそれぞれの班の確執、個性あるリーダーたちの駆け引き、それをまとめる上司の苦悩。事件そっちのけで、警察組織内の生々しさに引き込まれました。
だけどやっぱり最後には、どんな刑事にも人情があるらしい、と思わせるあたりが、さすが。横山秀夫さんが描く警察世界。まだまだ知りたいことがたくさんある。
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警察小説、とは違うのですが、今月初めて高野和明さんの作品を読んで圧倒されました。この13階段は第47回江戸川乱歩賞受賞作品で、映画化もされています。なのにこれまで全く知らなかった。なんてもったいないことをしていたんだろう。
今回一気にファンになってしまったので来月以降高野作品が増えそうです。
8月の終わりから本を読むことが出来ない状況が続いて、なんだか毎日もがいていたのですが、来月からはまた読書時間が取れそうです。やっぱり本を読む時間がないと、心を落ち着けられないみたい。いかに自分にとって本が大切かがわかった9月でした。
ブロトピ:こんな記事書きました!
今月読んだ本
- 半落ち/横山 秀夫
- さよならの手口 /若竹 七海
- 第三の時効 /横山 秀夫
- 手のひらの砂漠/唯川 恵
- 13階段 /高野 和明
- 夏の名残りの薔薇/恩田 陸
6冊
今月の1冊 唯川恵【手のひらの砂漠】
この不幸は、いつまで続くのだろうか―。平凡な結婚生活の先に待っていたのは、思いもよらぬ夫からの暴力だった。シェルターからステップハウス、DVの被害女性だけで運営される自然農園…。離婚を経て、居場所を変えながら少しずつ自立を果たそうとあがく可穂子に、元夫・雄二の執拗な追跡の手が迫ってくる…。現代の闇に恋愛小説の女王が切り込む、衝撃のノンストップサスペンス!

どちらかが死ぬまでは終わらない
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日本の警察に対してそんな文句を言いたくなる一方で、警察だっていろいろあって大変なんだとわかる警察小説。横山秀夫さんは、警察小説を書かせたら今日本で1番じゃないかと言われるのがわかる。今月読んだ作品も非常に面白かったです。
やっぱり警察小説が面白い
日本の警察に対してそんな文句を言いたくなる一方で、警察だっていろいろあって大変なんだとわかる警察小説。横山秀夫さんは、警察小説を書かせたら今日本で1番じゃないかと言われるのがわかる。今月読んだ作品も非常に面白かったです。
半落ち
「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの二日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは―。日本中が震えた、ベストセラー作家の代表作。
それは何なのか。
自分にはその源があるだろうか。
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第三の時効
殺人事件の時効成立目前。現場の刑事にも知らされず、巧妙に仕組まれていた「第三の時効」とはいったい何か!?刑事たちの生々しい葛藤と、逮捕への執念を鋭くえぐる表題作ほか、全六篇の連作短篇集。本格ミステリにして警察小説の最高峰との呼び声も高い本作を貫くのは、硬質なエレガンス。圧倒的な破壊力で、あぶり出されるのは、男たちの矜持だ―。
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おわりに
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