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    shoko

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    読書量はあまり多くないけれど風変わりなミステリーからベストセラーまで、様々な楽しみ方が出来た充実読書月間でした。

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    今月読んだ本  


    • ふる/西加奈子
    • 読書の価値 /森 博嗣

    • 君の膵臓をたべたい /住野 よる

    • TAS 特別師弟捜査員 /中山 七里

    • 知りたがりやの猫 /林 真理子

    • ミステリーズ /山口 雅也

    • すべての雲は銀の… Silver Lining 〈上〉 / 村山 由佳
    • すべての雲は銀の… Silver Lining 〈下〉 / 村山 由佳

    • 七つの会議 /池井戸 潤
    • オペラ座の怪人 /ガストン ルルー

    11冊
     

    今月の1冊 山口雅也【ミステリーズ】


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    これまでにない、衝撃的なミステリー作品短編集【ミステリーズ】を今月の一冊に推薦。

    このミス”ベスト1の自選推理短編集! 密室殺人、どこまでも続くどんでん返し、不条理、公開捜査。謎とトリックと推理が鮮かなパズルを織りなす緻密な配列。世界のミステリの全てをほうりこんだ傑作。

    最近ではノミネートされるだけでもすぐに話題となるこのミステリーがすごい!ですが、その1995年「このミステリーがすごい!」第1位に輝いた作品なのです。このミス作品はこれまでにも何冊も読んできたけれど、それらのどの作品とも全く異なるミステリー。

    SHOKO

    これがオススメポイント

    まるで海外小説を読んでいるような感覚。それがとても斬新です。日本人でこんな外国で起きそうなミステリーを書けるなんてスゴい。

    少し変わったいつもとは違う雰囲気のミステリー小説を求めている人にオススメです。


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    まく子を通して大人がこどもから教わること


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    近頃、西加奈子さんにどっぷりハマっています。まく子西加奈子さんが直木賞受賞後の第一作目の作品。読み始めるまでまく子ってこどもの名前かと思っていたのだけれど、名前ではありません。何でも撒き散らす子、です。


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    大人になりたくないこども


    小さな温泉街に住む小学五年生の「ぼく」は、子どもと大人の狭間にいる。ぼくは、猛スピードで「大人」になっていく女子たちがおそろしく、否応なしに変わっていく自分の身体に抗おうとしていた。そんなとき、コズエがやってきた。

    西さんは最初、大きくなるカラダや広くなる視野に対してこどもが抱く怖さに蓋をするのではなく、どうして大人になるのかと言うことをこどもたちへ向けて書こうと思っていたらしい。

    私がこのくらいの大人へと進んでいく時期って、どう思って生きていたのかもう覚えていないのだけど、 少なくとも大人になることに怖さや嫌悪感を感じてはいなかった。

    今回の主人公は男の子で、もしかしたら男の子の方が、そういった怖さって感じているものなのかもしれない、と気づく。どう考えても女の子の方が早急にしかも明確に、大人になるので、男の子ってそれがわかりにくくて、だけど確実に変わっている感覚はあって、モヤモヤがずっと取れないのかもしれない。

    あの頃の男の子たち、とても難しい心と戦っていたのかな。なんて考えたら急に愛しく思える。

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    こどもから大人が教わっている


    こどもたちへ向けて書いていたはずの西さんは、途中で気がつきます。

    「大人」と呼ばれる範疇にいながら、私は全然「大人」であることに折り合いをつけられていない。初対面の人になめらかに自己紹介をし、久しぶりに会った人に天気の話をし、水道やガス料金をきちんと払い、あまつさえ車を運転していても、それでも私は自分の体が変わってゆくことが、そしてその先がこわいのだ。

    無理してわかったフリをするのではなく、大人になってもその先を怖がっている自分を正直に描いた作品になったのです。

    ぼくたちは、誰かと交わる勇気を持たないといけない。
    ぼくたちは、ぼくたちの粒を誰かに与える勇気を持たないといけない。
    あの人は、ぼくだったかもしれないと、想像する勇気を持たないといけない。

    何でも撒き散らすコズエとの関わりあいによって、主人公はこんな風に思います。

    生きていくことは、変わっていくこと。明日は今日とは変わっている。だから生きていくことってきっと大人になっても、とてつもなく怖いことだけど、勇気を持たないといけない。大人にだって、そうでしょ。

    誰かを傷つけたら、それはほとんど僕を傷つけているのと同じことだ

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    映画も公開中

    ちょうど今まく子の映画が公開されていて、草彅剛さんが父親役を演じていることでもかなり注目されています。



    映画の公式ページに四万温泉がリンクされている四万温泉。もう20年前に行って以来、訪れていないのだけど、私の記憶の中ではまく子の設定のようなひなびた雰囲気ではなかったはず。


    20年前宿泊したのはこの四万たむら 。歴史を感じる建物と素晴らしいお風呂。とても素敵なお宿でした。まく子の舞台と重なりあわせていたら、また四万温泉へ出かけたくなりました。

    ▶▶《露天風呂GP群馬県1位》TV放映記念プラン&タイムセール実施中 四万たむら 室町創業7つの源泉を持つ月替わり懐石の宿

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    おわりに

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    今月大好きな森博嗣さんの【読書の価値】を読んだことで、読書の正解って何だろうと考えることに。ベストセラーだとか人から薦められたとか、そんな理由で本を選んでは自分の読書にならないのかな。もう少しインスピレーションを信じて本を選んでいこうかと思ったそんな5月でした。

    私は毎回本を読み終わった直後に、自分が感じたことだけを忘れないように記録しているのだけれど、森博嗣ほどの人間になれば、そんなことは全て頭の中に記憶される。森博嗣さんは、あれほど多様な作品を書いているのに、プロットすらも一切メモせず、頭の中の引き出しから紡ぎ出していくんだって。

    彼みたいな人を、天才って呼ぶんだろうな。


    ブロトピ:こんな記事書きました!


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