【2019年4月読書レポート】私はまだハルキストにはなれない『騎士団長殺し』を読了して想うこと
今月はずっと積読本になっていた村上春樹氏の『騎士団長殺し』をやっと読了しました。ちょうど文庫本化されたタイミングでもあり、再び話題が集まっていたこの作品。読み終えた瞬間は、ぐったり放心状態。まだまだ私の読力では及ばない、この独特な世界について少しだけ思いを述べてみました。
今月読んだ本
13冊
今月の1冊 近藤 史恵【タルト・タタンの夢】
商店街の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。シェフ三舟の料理は、気取らない、本当にフランス料理が好きな客の心と舌をつかむものばかり。そんな彼が、客たちの巻き込まれた事件や不可解な出来事の謎をあざやかに解く。常連の西田さんが体調を崩したわけは? フランス人の恋人はなぜ最低のカスレをつくったのか? 絶品料理の数々と極上のミステリをどうぞ!

これがオススメポイント
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星の王子様の有名な一説ですが、私が考える『騎士団長殺し』とは、これだと思うのです。人が目に見えていない部分にあるものに、生きることの意味が潜んでいる。それを村上春樹氏は、伝えているのではないかと。
肖像画のモデルとなる、この物語のキーマンのひとりでもある少女がこう話すセリフがあります。彼女は、主人公と同じように目に見えないものがしっかり感じられる、見えている、人間だからこそのセリフ。
不思議と作品を理解することはできないのに、村上ワールドに浸っていると、自分の中に何やらそう言った目に見えない世界がうっすらと出来てくるのです。作品の中に入り込むと言うよりは、作品と自分との間に、もわっと霞がかった、メタファーの世界が出来ていってしまうような感覚。
それがハッキリと見えるようになったら、私もいよいよ、ハルキストだな。今のままでは、村上春樹を1度読んだだけで、理解することは出来なそうです。

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騎士団長殺しとは何だったのか
『1Q84』から7年、村上春樹氏書き下ろしの本格長編『騎士団長殺し』をついに読破しました。
騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編
第1部を読み終えた時の私の印象は、いつもの村上春樹長編作品と違ってわかりやすい。
でした。これまでも村上氏の長編作品はいくつか読んできたのですが、それはそれは言い回しが難解で、文章を読んでそれを理解するまでに時間がかかっていた。だけど、今回の騎士団長殺し第1部は、不思議とスイスイと頭に入っていく。
あれ?もしかして私ってば、すでに村上ワールドを理解できるようになってる??なんて錯覚に陥ってしまいました。
騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編
しかしながら第2部へ突入して、その自信は見事に打ち砕かれました。しまった、完全にこの世界が理解できずにひとり弾き飛ばされた感じ。第2部からは、いよいよ村上春樹の世界。どこまでが現実なのかすら、わからなくなってしまいました。
だから、あらすじを語ることが出来ない。出来ないのだけど、私なりに抱いた想いはあります。
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一枚の絵が、秘密の扉を開ける――妻と別離し、小田原の海を望む小暗い森の山荘に暮らす36歳の孤独な画家。緑濃い谷の向かいに住む謎めいた白髪の紳士が現れ、主人公に奇妙な出来事が起こり始める。雑木林の中の祠、不思議な鈴の音、古いレコードそして「騎士団長」
その出現は突然だった。真夜中、主人公の前に顕れたのは「イデア」だった。イデア!? 一度は捨てたはずの肖像画制作に没頭する「私」の時間がねじれ、旋回し、反転してゆく。不思議の国のアリス、上田秋成「春雨物語」、闇の奥でうごめく歴史の記憶、キャンバスの前に佇む美しい少女。多彩な登場人物とともに、物語は次々と連環し、深い魂の森の奥へ――。
騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編
その出現は突然だった。真夜中、主人公の前に顕れたのは「イデア」だった。イデア!? 一度は捨てたはずの肖像画制作に没頭する「私」の時間がねじれ、旋回し、反転してゆく。不思議の国のアリス、上田秋成「春雨物語」、闇の奥でうごめく歴史の記憶、キャンバスの前に佇む美しい少女。多彩な登場人物とともに、物語は次々と連環し、深い魂の森の奥へ――。
騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編
緑濃い森の小径の向こうから、肖像画のモデルとなる少女と美しい叔母が山荘を訪れる。描かれた4枚の絵が複雑なパズルのピースのように一つの物語を浮かび上がらせる。たびたび現われる優雅な白髪の隣人、奇妙な喋り方で「私」に謎をかける騎士団長。やがて山荘の持ち主の老画家をめぐる歴史の闇が明らかになる。真夜中の鈴は、まだ鳴り止まない――。
「簡単なことだ。あたしを殺せばよろしい」と騎士団長は言った。「彼」が犠牲を払い、「私」が試練を受ける。だが、姿を消した少女の行方は......。暗い地下迷路を進み、「顔のない男」に肖像画の約束を迫られる画家。はたして古い祠から開いた異世界の輪は閉じられるのか。「君はそれを信じたほうがいい」――静かに魂を揺さぶる村上春樹の物語が、いま希望と恩寵の扉を開く。
騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編
「簡単なことだ。あたしを殺せばよろしい」と騎士団長は言った。「彼」が犠牲を払い、「私」が試練を受ける。だが、姿を消した少女の行方は......。暗い地下迷路を進み、「顔のない男」に肖像画の約束を迫られる画家。はたして古い祠から開いた異世界の輪は閉じられるのか。「君はそれを信じたほうがいい」――静かに魂を揺さぶる村上春樹の物語が、いま希望と恩寵の扉を開く。
騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編
肝心なものは目に見えない
心でしか物事はよく見えないんだよ。
肝心なものは目に見えないんだよ。
肝心なものは目に見えないんだよ。
「目に見えるものが好きなの。目に見えないものと同じくらい」
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おわりに

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