【2018年9月読書レポート】ついにモンテ・クリスト伯を読破
9月に読んだ本
今月のピックアップは、佐藤 正午さんの【鳩の撃退法】です。【月の満ち欠け】で直木賞を受賞、今注目度がかなり高い佐藤さん。
この文庫本発売にあたって作られた1分半の動画を見ただけでも、なんだかもうそそられませんか。
『人の運命なんてたった1日で狂う』
動画では最後にそう結ばれているけれど、その1日で全てが狂ったのだということがわかるのは、最後の最後です。あらゆるのところにばらまかれた伏線が回収されるのは、ラスト。
小さな街の風俗店で送迎ドライバーとして働く主人公は、元直木賞作家。そんな彼のもとに突然舞い込んだ大金。でもそのうちの1枚が偽札だったことから、物語は大きく動き出します。
この作品については、糸井重里さんが絶賛していてこちらのサイトでの対談も実現しています。
アレクサンドル・デュマ【モンテ・クリスト伯】
大学生の時からの積読本、それがこのモンテ・クリスト伯。アレクサンドル・デュマの長編大作です。
デュマに興味を持ったのは高校生の時。今月改めて再読したメアリー・スチュアートを知ってから。その後、読んだ三銃士があまりに面白くて、ちょうど映画『仮面の男』がレオナルド・ディカプリオ主演で公開されたこともあって、かなりはまっていました。だけどそれでも、モンテ・クリスト伯はあまりの長さに手に取る勇気がなかったのです。
そしてそれから20年、ついに今月スタートしたというわけです。
無実の罪にきせられた主人公が、何年もの時を経て復讐を成し遂げる物語。その復讐劇が非常に繊細かつ大胆で、じりじりと追い詰めていく様にページを捲る手が止められなくなります。
時は、フランス革命後のパリ。風習や階級などわかりにくい部分もあるけれど、まるでこの時代の人々の毎日を除いているかのようで、気分はもうすっかりおフランスです。ヨーロッパの作品の日本語訳特有の言い回しも楽しめるし、男性が相手を呼ぶときに『あなた』と訳されているのを読むと、何とも品がある感じがして好き。
さすがの超大作。ずっしりとした読みごたえです。
文庫本で全7刊。まるまる1ヶ月かかりましたが、読んで良かった。アレクサンドル・デュマという文豪はやはり天才でした。
日本版モンテ・クリスト伯見逃し配信中
今年の春ドラマで、日本版モンテ・クリスト伯が放送されたことが、今回読み始めようと思ったきっかけでもあります。残念ながらドラマは観ていなかったのですが、数字以上にとても内容の濃いドラマだったということで、賞も受賞していました。しかも主演のディーンフジオカさんは、第12回コンフィデンスアワード・ドラマ賞の主演男優賞を受賞。
これは見逃したのはもったいなかったな、と思っていたら、今ならフジテレビ公式動画配信サービス【FODプレミアム】で、見逃し配信してくれています。しかも月額888円が最初の月は無料。これは、ありがたいです。
まとめ
高校生の頃読んだ時には悲劇的だと感じた、メアリー・スチュアートの生涯。今月再読してみると、少し違った感じ方をしました。国の女王である人物が、女王であることより女性であることを優先した、それってどうなの?と。
女性としての幸福を最優先にしたいのなら、女王という立場は潔く捨てるべきじゃない。
これが今の私が率直に感じたこと。歳を重ねていろんな経験をしてきたら、こんなにも解釈の仕方が変わるなんて。昔読んだ本を再読する、ということも面白いなと感じたのでした。
デュマの作品は、西洋史に興味がない方には、もしかしたら読みにくいのかもしれませんが、1度慣れるとはまってしまうかも。周りに興味をもってくれる人が全然いなくて、仲間を増やしたいです。日本版モンテ・クリスト伯をFODで見て、興味を持ったらぜひぜひ本も手にとってみてほしいな。
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