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    shoko

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    今月を総括するならば、きっと誰もが暑かった、と言う。暑いって言葉を何回発しただろう。8月は数名の作家さんにハマり込む読書。暑さであれこれ探して回れなかったからね、と。とりあえず何でも暑さのせいにしてしまった8月なのでした。
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    8月に読んだ


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    • 向こう側の、ヨーコ/真梨 幸子
    • 真綿荘の住人たち / 理生

    • 暗黒学校〈上〉 /二宮 敦人

    • 暗黒学校〈下〉 /二宮 敦人

    • 罪の余白 /芦沢 央

    • 許されようとは思いません /芦沢 央

    • ナラタージュ / 理生
    • !(ビックリマーク) /二宮 敦人

    • !!(ビックリマーク2) /二宮 敦人

    • !!!(ビックリマーク3) /二宮 敦人

    • Red / 理生

    • 鸚鵡楼の惨劇 /真梨 幸子

    • 最後の医者は桜を見上げて君を想う  /二宮 敦人 

    • 朽ちる散る落ちる /森 博嗣 

    • ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち /三上 延 

    • ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 /三上 延 


    16冊 

    今月の1冊 真梨 幸子【向こう側の、ヨーコ】

    今月のピックアップは、真梨 幸子さんの【向こう側の、ヨーコ】です。

    4月から真梨さんを読まなかった月はない。殺人鬼フジコ、五人のジュンコ、ときている名前シリーズ、今回はヨーコ。

    主人公の陽子がこどもの頃から夢で見てきたもうひとりのヨーコ。夢に出てくるヨーコも自分とは違う人生を歩みながら生きていく。A面B面とパラレルワールド的に進んでいくストーリー。

    A面の陽子は、更年期を迎えた独身の人気作家。B面のヨーコは、夫と子供がいる常に不満ばかりを漏らす主婦。ここまではよくある設定だし、自分とは違う人生を歩むもうひとりの自分、という感じでわかるわかる、なんて共感しながら読み進められるのだけど。

    そこはイヤミスの女王、真梨作品。ふたつのサイドが交錯しだしてからは、それはもう恐怖を感じる展開。パラレルワールドだからって、『君の名は』みたいにはいかないのです。結局ふたつのサイドはパラレルワールドではなく、あるときまで存在を知らなかっただけで、同時に存在していたそれぞれのヨーコ。

    いつものように、バッタバッタと人が死にます。
    そして犯人は意外な人物。
    これは予想しきれなかった。だからこそ、なんかもうイヤな感じ、と言うよりはスキッとしてしまいました。

    フジコ、ジュンコ、ヨーコ。
    私はヨーコが1番面白かった。
    フジコもジュンコも映像化されているから、ヨーコもぜひしてほしい。
    だけど脚作る人が大変そう。この世界観をうまく映像にしてくれる人がいたらいいな。

    向こう側の、ヨーコ [ 真梨幸子 ]

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    感想(1件)

    それにしても真梨 幸子さんはハマってしまうと抜けられません。今月は他にもハマり始めた作家さんがいたので、その3名をご紹介します。


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    二宮 敦人さん


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    まずは二宮 敦人さん

    【最後の医者は】シリーズ第1段。第2段も春に発売され、更に今年は映画化の予定もあるのだそう。

    【最後の医者は桜を見上げて君を想う】は、死を肯定し余命までの生き方に選択肢を与える医者と、最後までどんな状態でも命を救おうとする医者。同期のそんな相反する考え方をもつふたりの医者がいる病院で起きる3人の患者の死がそれぞれ短編的につながれる作品。

    作品のテーマとしてはありふれているのだけど、何故か引き込まれるのは主人公であり死神との異名をもつ桐子修司のなんとも言えない個性的なキャラクター。常に冷静な判断を下すクールさもあり、自分の友が末期癌になった時には動揺する人間らしさもあり、こどものようなバカらしさもあり。

    医者は死と向き合うのか、生と闘うのか。この答えの出ない永遠のテーマを、難しい医療用語などを多用せずに、分かりやすく伝えてくれています。
    そんな二宮さんのデビュー作がこちら。
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    【!(ビックリマーク)】
    今月だけで3巻まで一気読み。最後の医者はシリーズのイメージとはまるで異なる、これ、ホラー作品。ホラー作家さんが、あんなに素敵な作品を書いていたなんて、タイトル通りビックリ。

    この作品はかなりグロテスクで、嫌いな人も多いと思う。私は割りと大丈夫な方ですが、それでも、ウワッと思うところが多かった。だけど気になった作家さんはデビュー作を読んでみたくなるのが心情。この作風からどうやって、あの最後の医者シリーズが生まれたのか、それは謎のままです。

    もうひとつ、【暗黒学校】というまたもやホラー作品も読んでみたのですが、やっぱり何とも言いようがない心地悪さ。人間の闇の表現の方法が、後に紹介する作家さんとは異なり、人間とは救いようのない生き物だと表現しているのかな。

    全く違った作風のものを書けることは、素晴らしい才能ですよね。二宮 敦人さんをこれから読まれる方はどっちサイドの二宮さんが良いか考えてから読んでみてください。

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    芦沢 央さん


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    芦沢 央さん

    最近本好きの間で頻繁に名前が出てくる芦沢さん。そのデビュー作【罪の余白】はまだ作者が20代の時の作品。そしてこれがデビュー作だなんて、どれだけの才能の持ち主なのだろうと素人ながら驚きました。

    作品はミステリーなのだけど、それだけではない人間の感情の表現が丁寧で優しい。深い闇や恐ろしさを上手に描く作家さんは沢山いるけれど、ミステリーの中にあるヒューマニズムを難しい表現ではなく、優しい言葉で表現してくれているところがわかりやすくてのめり込みやすい。

    次に読んだ短編集【許されようとは思いません】は、更に人間味が増していてどれもゾクゾクしました。今後大注目の作家さん。きっと大ヒット連発の超大物になりそう。
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    三上 延さん


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    最後に三上 延さん

    言わずと知れたベストセラー【ビブリア古書堂の事件手帖】シリーズの作者。だけど私は今月初めて手に取りました。そして第1巻を読んで案の定、即ハマり第2巻も続けて読みました。すっかり主人公の栞子さんの虜です。

    こうしたひとつのお店を舞台にして展開されるミステリーは、やっぱり主人公のキャラクターが大切。岡崎 琢磨さんの【珈琲店タレーランの事件簿】もそうでしたが、1度ハマると抜け出せなくなります。それも古書店だなんて、もう好き過ぎる。

    ※間もなく映画が公開予定です。

    テレビドラマで放送した時は散々な評判でしたが、映画はどうなのかキャストをみているとドラマの時よりは少し期待できますね。


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    まとめ


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    アイスと本とコーヒー。ここ2ヶ月はこの組み合わせが1番だったけど、もう8月も終わり。そろそろアイスの頻度も低くなるかな。などと言いつつ、9月もきっと暑いのでしょうね。結局9月もアイスで読書、はやめられなさそう。


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